カテゴリー: 作品紹介

  • スパイダーマンと村上春樹

     映画『スパイダーマン』には3つのシリーズがありますが皆さんはどのシリーズのどの作品がお好きですか?

     

    🔳無印版(サム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演)

    『スパイダーマン』 (2002)

    『スパイダーマン2』 (2004)

    『スパイダーマン3』 (2007)

    🔳アメイジングシリーズ

    『アメイジング・スパイダーマン』 (2012)

    『アメイジング・スパイダーマン2』 (2014

    🔳MCU版

    『スパイダーマン: ホームカミング』 (2017)

    『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』 (2019)

    『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』 (2021)

     

     私は『アメイジングスパイダーマン2』が特に好きですが、トビー・マグワイアが演じる、無印のスパイダーマンも好きです。

     トビー・マグワイアを初めて知ったのは『華麗なるなるギャッツビー』(2013)を見たときでした。この作品は実業家のジェイ・ギャッツビーとデイジーという天真爛漫で魅力的な女性との間の恋愛を描いたもので、トビー・マグワイアはギャッツビーの友人のニック・キャラウェイを演じています。

     無印版とアメイジングシリーズもどちらも登場人物が少なく、話が進むにつれ登場人物が減り、最後には主人公と一握りの人だけが残る、とても悲しくてタフな作品だと思います。それを「喪失」の物語と考えると村上春樹の作品と重なりました。村上春樹の初期の作品である「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」といった、いわゆる「鼠三部作」や刊行から1年たらずで百万部以上売り上げ社会現象にまでなった『ノルウェイの森』では「孤独」や「喪失」が大きなテーマとなっています。

     小説「グレート・ギャッツビー」は村上春樹によって翻訳されています。映像化された作品には『華麗なるギャッツビー』という邦題が与えられました。英題The Great Gatsbyの冠詞Theに亡くなったギャッツビーに対するニック・キャラウェイの哀愁を感じます。

     『スパイダーマン』➡トビー・マグワイア➡『偉大なるギャッツビー』➡「グレートギャッツビー」➡村上春樹と、連想ゲームのように繋がり、全てを失ったスパイダーマンとニック・キャラウェイの姿が重なり、複数の作品を繋ぐハイパーリンクとしてトビー・マグワイアを受け止めたので無印の『スパイダーマン』が好きです。(恋多きMJはあまり好きではありませんが)

     今回、も短い文章で『スパイダーマン』シリーズの魅力や、村上春樹の作品との関連について深く言及できませんでした。この関連については機会がある時に挑戦するとして、次回からの記事は『スパイダーマン』の魅力について私なりに紹介させていただきたいと思います! 

     

    ではまた!!!